木造戸建住宅の耐震補強設計、改修工事について その1(壁耐力、偏心)
耐震診断により、Iw値が0.7未満になった場合に、公的助成制度をうけて、耐震改修工事を行う場合には、補強の仕方は国の定めた基準((財団法人)日本建築防災協会による「木造住宅の耐震診断と補強設計」)に基づくことが必要で、補強設計は同協会の認定を受けた耐震診断補強設計PCソフトを使用します。補強方法、材料、位置はこのソフトでの計算に基づき決められます。(経験やおおまかな感覚で補強を行うものではありません。)
地震力は計算上では建物に対して横方向に作用する力と設定しており、耐震性能を高める為には、原則的にはその地震力に抵抗する壁(壁耐力)を増やすことが必要になります。旧耐震基準の建物(昭和56年以前)はそれ以降の建物と比較すると、全般的に言えば、窓が多くて壁が少ない傾向にあります。ちなみに、地震に対しては柱をより増やしても、柱と柱を繋ぐ壁(無開口壁)がないと有効に働きません。
また、地震力は建物の重量にも関わりますので、屋根が瓦で重たい建物は、壁の量が同じでも、スレートや金属屋根の住宅よりも地震時には不利となります。(もちろん、瓦屋根の建物全てが大地震に対して弱い、大地震時に危ないとは言えません。)
壁耐力を増やす為には、窓の部分を塞いで新たに壁をつくることの他に、窓はそのままにして、現在ある壁を強くする方法もあります。壁の材料(土壁なのか、板壁なのか、石膏ボードなのか、あるいは、筋交があるかないか)によって壁が持つ力(耐力)が違います。現在の壁材料をより強度のある材料(構造用合板や耐震認定パネルなど)に貼り替える、あるいは筋交を取り付ける、ことで耐震性能を高めることができます。
耐震ソフトの計算上ではそれぞれの壁耐力を数値にて入力します。補強計画上では耐震壁のバランスの良い、適正な配置が重要です。一方向に壁が多い場合には地震時に建物がねじれる可能性があり、(建物の重心と剛心がすれることによる偏心が生じます。)
補強する位置によっては、耐震性能がかえって低下することもあり得ますので補強計画上では留意すべき点です。
株式会社 竹内建築研究所
住所:東京都練馬区北町8-37-8-204
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