サービス内容

用途変更

用途変更について その1


ここ数年来、既存の建物を安易に取り壊すのでなく、建物を再利用し、他の用途に変えて使う、という傾向が多くなっています。高度成長時代のスクラップアンドビルドでなく
現有資源の有効利用の視点からも重要でもあり、(空き家問題の有効な対策などの可能性もありますし)建築士事務所の仕事としても増えつつあります。新築のみでなく用途変更や改修設計も私の事務所での大切な仕事と認識していますし、実際に、このところ数件を行っております。
建物の用途を以前から変更して使用したいとする場合、例えばテナント部分が店舗であった建物(あるいは一部分)を高齢者デイサービスにしたいとする場合、(この事例は多いです)新しい用途にて法規上適合しているかどうかのチェック、(又は、そもそも、現在の建物が建築した当時の法規に適合しているかどうかの場合も含め)適合していない場合は適合させる設計が必要となります。なお、変更する用途や床面積規模により行政や審査機関へ建築基準法上での申請(用途変更申請)が必要になります。
 福祉施設設置の場合で行政側の施設整備費や運営補助金制度などを受ける際には、用途変更申請を取得することが条件になっていることがあります。ところが、用途変更申請に関することは新築をする場合と比べてやや複雑で解りにくいがあります。既存建物の購入や賃貸などの契約をした後に用途変更に時間と費用が係ることが解り、計画の延期や中止せざるを得ない場合などもあり得ますので、事前調査の段階から知識や経験のある建築士事務所に相談することが良いと思います。

用途変更について その2


 弊社が設計・工事監理業務を行いました用途変更工事の事例を概略ご説明します。
場所は東京都内、社会福祉法人が既存建物(2階建延約100坪、旧用途は信用金庫)を買い取り、障害者作業所に用途変更するものでした。
 ここで大切なことは、建築主は購入する際、建築確認検査済があること、竣工年が昭和56年6月以降(旧耐震基準ではない)であることの重要性を理解されていたことです。検査済証や設計図書が無い場合、そもそも用途変更申請がほとんど不可能なこともあるからです。弊社が用途変更申請の相談をお受けする場合、必ず、竣工年月、検査済証、設計図書等の有無をお聞きします。
 この建物は旧用途が事務所の扱いで新たな用途は社会福祉施設になり、建物の延床面積が100㎡を超えていましたので、申請が必要でした。社会福祉施設に用途変更する為には、福祉のまちづくり条例に適合させる必要がありました。都内でも当該区は特に条例が厳しく、2階部分は信用金庫の事務、会議室でしたのでエレベータがありませんでしたが、社会福祉施設に変更するにあたり、身体障害者用のエレベータが条例上、必要となりました。(障害者でも障害の種類がありますので、一律に設置義務となることは、建築主にも負担となることもあり、難しいところです)
 このように、用途変更をする場合には新たな用途の基準等に適合させる必要があり、その部分を解決してゆくのが私達の業務です。
 約2ヶ月の設計期間、4ヶ月の工事期間の後、無事に作業所が完成しました。
古るびて、暫く使用されていなかった建物が、生き返り、再び、建築主、障害者の方々に喜んで利用されていることを見て、これからこうした有り方も増えるべきだと感じています。

用途変更について その3


 弊社が行いました別事例を概略ご説明します。
都内某区内、既存建物は鉄骨4階建延440㎡ 1階店舗(テナント)2~4階 賃貸住戸、平成3年完成、確認済証はありますが完了時検査は受けておりませんでした。
建物所有者様より1階空テナント部分に高齢者デイサービス施設を誘致したいと依頼がありました。
用途が店舗から社会福祉施設に変わります。また1階部分は100㎡をやや超えておりました。ところで、この100㎡を超える部分の解釈について当該区では用途変更する部分ではなく、建物全体としてとの解釈です。所轄行政により判断が異なる場合があるようですので留意が必要です。このような訳で用途変更申請が必要でした。(ちなみに、申請が必要でない場合でも、変更後の用途に法適合しているかどうかは建築士がチェックする必要があります。)
平成3年築ですから新耐震の建物なので耐震診断の必要はありませんでしたが、そもそも、検査済証がないのでまず建築申請時点での法規に適合しているかどうかの建物調査、図面と現地との照合確認等が用途変更申請の前段階で必要になりました。
当該区と事前相談をして調査内容等を決め、建物所有者様に調査内容、掛る費用につき、ご説明し、ご了解頂き、実施しました。建物所有者様にとっては想定外の費用ではありました。(多くの同様な事例ではこの段階で断念することがほとんどではないかと思います。)
調査において構造体に関わる部分(鉄骨柱・梁の溶接部分の超音波探傷試験、コンクリート強度試験など)は専門調査会社によるもので、費用の大半を占めました。その他、構造計算書のチェック、建築基準法上での現地確認、チェックなどを行いました。この建物は構造上では問題はありませんでしたが、申請をしないで増築をした一部分がありましたので、用途変更工事時に除去し、申請時の状態に戻す必要がありました。
 当時の建築主様は完了時検査済証の取得の重要性、増築申請の義務など理解されておりませんでしたが、今後、建築後、維持管理してゆく上でそうしたことの重要性を改めて、ご説明しました。
 このように、用途変更申請の前段階で法適合確認の為の既存建物調査が必要になる場合があります。

用途変更について その4 (検査済証の無い場合)


弊社が関わりました別事例(実は用途変更ができなかった事例)を概略ご説明します。
鉄骨造3階建て延約310㎡ 建物用途は共同住宅 平成4年に建築確認済を取得しております。この建物の1階部分(現状は店舗)を福祉施設に用途変更したい、とのお話を建築主様より相談を受けました。
現地、図面にて確認させて頂いたところ、建物完成時の建築基準法での検査済証を取得
しておりません。確認申請時の図面と現状が異なっていました。工事中に1階部分を共同住宅から店舗に変更をした、とのことでした。本来ならば、変更確認申請を行なうべきところ、そうした手続きを行うことなく、工事を進めたようです。施工会社の判断のみで行われてしました。工事監理者が不在(機能していない)である場合に起こる問題です。
検査済証が無い場合の用途変更申請は、必ずしも不可能ではありません。前述の通り、現状の建物が建築当時の建築基準法令に適合しているかどうかの調査(既存建物法的適合調査)を行うことになります。このケースも建築主様にその手順、掛る費用、時間を説明し、ご理解の上、この調査を行いました。
鉄骨造の調査は柱、梁の接合部分の溶接状況が特に重要でありますので、天井仕上げ材を剥がして調査する必要があります。
この調査の結果、一部の梁の形状が確認申請時の仕様と異なることが判りました。施工会社側で仕様を変更していたようです。設計者、工事監理者の不在が招いた結果がここにもあります。きちんとしたチェック、是正が当時になされるべきでした。
調査結果をうけて、構造計算書等で再度、変更になった部分の検証を行いましたが、計算結果として、当時の基準を満足することはできませんでした。
建築主様にはその旨、報告をしました。建築主様にはそのことは全く知らないことで、その結果についての責任はありません。残念なことですが、施工をした会社は現在、存在しておりませんので、経緯を問い詰めることもできません。
その報告後、是正方法の検討を依頼され、掛る是正工事費などの概算工事費を算出し、是正工事を行う方向で進めている段階です。

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